「転職活動の自己PRとは何か」
自己PRは、履歴書や職務経歴書に記載したり、面接でも聞かれたりする重要な項目のひとつです。
転職活動において、自己PRとは自身の得意分野や会社ではどのようなことができるかなど会社側へ自分を採用するメリットをアピールすることです。
「自分を採用すべき理由」「自分が入社した際に貢献できること」を積極的に提示して、採用の判断を後押しするための材料が自己PRだといえます。
面接でよく聞かれる「自己紹介」や「長所」とは分けて考えましょう。
「自己PR」と「長所」はどちらも自分の良いところを伝えるという意味では同じものです。
二つの違いは、
自己PRとは「自身の強み」をアピールすることです。この強みとは、「直接的に仕事に活かせる部分」であるといえます。
長所とは「人柄」
企業が長所について質問するのは、「どのような人柄なのか」を判断する意図があるからです。
長所を見つけ出すためには「自己分析」は欠かせません。自分の性格や気質、考え方などを探り、他者よりも優れている部分を見つけましょう。
次のようなステップで書くと良いでしょう。
①過去の仕事での経験・実績を洗い出す
②企業が求めるスキルや特性を把握する
③企業のニーズと合致する経験や実績、スキルを絞り込む
④強みを一言で言い表す
⑤強みをストーリーで肉付けする
自己PRの文章は、結論から書くことを徹底しましょう。採用担当者は、大量の応募書類に目を通しますので、一つの書類を見る時間は、そんなに多くはないでしょう。
結論(自分の強み)がなかなか見えてこない自己PR文は、採用担当者からすれば「何が言いたいのか分からない」 という印象になります。
自己PR欄の8割程度は埋めましょう。
自己PRの文章量があまりに少ないと、「本当にうちの会社を受ける気があるのだろうか?」と思われ、熱意が伝わりにくくなります。
自己PRを書く際には、自己PR欄の8割程度を埋めるようにしましょう。
自己紹介で採用担当者が知りたいのは応募者の人柄や経歴であるため、名前や現職での業務内容などを簡潔に伝えましょう。長所はもともと持っている資質や性格のことであり、自分のことを客観的に理解できているかを確認する意図で質問されるケースが多いです。
よりよい自己PRを作成して採用担当者に評価されるために、4つのステップに分けて自己PRの書き方をご紹介します。
【STEP1】過去の仕事での経験・実績を洗い出す
まずは、自分が今までしてきた仕事の内容を徹底的に洗い出してみましょう。営業職であれば「新規顧客の獲得」「既存顧客への継続提案」などが挙げられるでしょう。企画・マーケティング職であれば、「新規プロジェクトの立ち上げ」「プロモーション施策の立案」といったものになるかもしれません。技術・開発職であれば「製品の製造・工程管理」「品質管理」「新製品開発」といったものが挙がるはずです。このとき、具体的な作業内容や自分のポジションも併せて洗い出してください。
続いて、洗い出した仕事内容に数字で表現できる実績を付け加えていきます。営業職なら、「1年間に新規顧客を20件獲得」「売り上げ目標の150%を達成」などといった形になるはずです。企業の利益に直接的に関わるものが最も分かりやすいのですが、それが難しい場合は、「合計30人が関わるプロジェクトの進行管理」「製造効率を120%上昇」といった形でもかまいません。とにかく数字で表現してみることが大切です。
続いて必要になる作業は、応募する企業・職種で求められている能力を想像してみることです。応募企業・職種で必要とされていなければ、過去にどんなに仕事で優れた実績を残していたとしても評価されづらいということを理解しておいてください。例えば事務職に応募するのに、「新規開拓の営業を得意としており、前職では前年比150%の売り上げ増を達成しました」と自己PRをしたとしても、採用担当者から良い評価は得られないのは明白でしょう。
自己PRの内容は、応募企業・職種で求められる能力と自分の経験・実績・専門性・スキルなどを合致させて組み立てることが非常に重要。一方的に「私はこんな仕事ができる」「こんな能力がある」と自分の強みを伝えるだけでは不十分なのです
応募企業・職種で求められる能力を理解するために第一にすべきことは、求人情報をしっかりと読み込むことです。求人情報には、職種や所属する部署での基本的な仕事内容のほか、「入社後に達成を期待されているミッション」が記載されているのが一般的。それらの内容から、誰に、何を、どのように提供する仕事なのか、入社後に求められるミッションを何かを理解した上で自己PRに含めるべき経験・実績を検討しましょう。
また、応募企業の事業規模やビジネスモデルも、求められる能力を知るためのヒントになります。例えばベンチャー企業に応募するなら「積極性」「目標達成意識の高さ」「ひとりで幅広い分野を担当できるスキル」を重視するかもしれません。逆に社員数の多い大手企業では、「他部署と連携したプロジェクト進行の経験」「外注企業をコントロールするスキル」が求められるかもしれないと考えるわけです。
さらにこの時点で、アピールするポイントを2~3点程度に絞っておくといいでしょう。履歴書・職務経歴書に書く際も、面接で答える際も、自己PRには簡潔さが求められます。むやみにたくさんの要素を詰め込もうとすると、内容が薄く、具体性に欠けるものになってしまい、逆効果になる可能性があります。
【STEP3】厳選した経験・実績を能力・スキルに言い換える
次に、厳選した経験・実績を実現するために必要だった能力・スキルをひとことで表現してみましょう。これは自己PRの内容を象徴するキーワードとなり、履歴書・職務経歴書に自己PRを記入するときの見出しにもなります。
例えば、「新規開拓の営業を5年間担当し、毎年、売り上げ150%増を達成した」という経験・実績からは、「開拓型の営業力がある」「積極性が高い」「フットワークが軽い」「目標達成意識が高い」などといった能力・スキルを導き出すことができるはずです。そのほか、「経理担当で業務フローの改善を提案し、計上ミスを50%削減した」という経験・実績からは、「提案力・実現力が高い」「改善施策を立案できる」「他部署との連携作業が得意」「正確性・効率性を重視する」という能力・スキルを導き出すことができます。
最後のステップは自己PRを文章にまとめること。100~200文字程度にまとめるのがいいでしょう。ポイントは経験・実績、能力・スキルを入社後にいかに活かすことができるかを明確に記載することです。
文章のまとめ方のコツは、「状況→課題・意図→行動→結果」の順にまとめることです。STEP1~2で厳選した、自己PRに含めるべき経験・実績を文章にする際、状況に対して、なぜその行動をしたのかの【課題・意図】を書くことがポイントです。最後に、STEP3で考えた経験・実績に紐づく能力・スキルが活かせることを記載します。